葛の葉

kuzunoha

葛の葉、という字の佇まいからは何かしら品のあるものを感じる。
葛というと、葛湯とか葛きりとか、加工品も上品なのでなおさらそんな気がするし、これは伝説だけれど陰陽師の安倍晴明の母親は白狐の変化で、その名前が葛の葉という。なんとなく妖しさもある。葛根湯の葛根はつまり葛の根。そんなよく知られる薬にもなる植物でありながら草地や土手に普通に生えていて、案外身近なところでもよく見かける。
実際葛は上品というよりとてつもなく繁殖力旺盛で、世界の侵略的外来種ワースト100に数えられる。
世界の侵略的外来種、他にどういうものが挙げられるかというと、植物だけでなく動物も含む100種類で、例えばよく知られているのはブラックバス、ヌートリアなど。植物ではイタドリもそうで、ちなみに今私の傍で毛繕いをしているやつもリストに載っている。大航海時代に船倉のネズミ退治のため船に乗せられ旅立った先の離島で野生化、固有種の鳥などを食べ、食物連鎖ピラミッドの頂点に君臨する侵略的外来種イエネコ。

葛は繁茂すると手に負えないらしい。確かに山沿いや耕されなくなった畑を見事に葛が一面覆っているのを見たことがある。
昔は葉を牛馬が食べ、強い蔓でカゴなどを編むこともできて、副産物として葛粉を作っていたそうだけれど、人々の生活が変わって暮らしと関わりをなくした今はひたすらに茂っている。
葛が茂っている丘に行った。こんなにあるなら何か作りたいと葛粉の作り方を調べてみたけれど、根を砕いて漉すことを何度も繰り返し、沈殿したでんぷんを取るという大変な手間がいる。葛粉の他に葛の利用法を探すと、葉っぱからお茶を作れるようだった。それならと葉をたくさん摘んで帰って洗い、乾燥させてばらばらにしフライパンで煎ってみた。豆っぽい香ばしいにおいがする。出来たお茶を淹れるとほうじ茶のような色で、少しだけお湯がとろんとして口当たりは柔らかく、ほっこりした味わいでおいしかった。
そして葛は花も美しく、房状に赤紫の花が咲く。葡萄というか赤ワインのような落ち着いた芳香がある。
葛のことをいろいろ調べていると学名がPueraria、プエラリアだということに気付いてはっとした。バストアップサプリメントにプエラリアというのがあるからだ。もしやこの取り放題の葛にそんな効用があるならばと高鳴る胸を押さえつつ調べたけれど、サプリメントになるのはプエラリア・ミリフィカという植物で、葛はプエラリア・ロバータ。成分が違うらしい。

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