12月になったと思ったら次の瞬間にはきっともう大晦日、というくらいに疾走の予感が既にしている師走。 引っ越しの準備をしている。荷造りをしたことのある人なら誰でも「押入れの奥に眠っている捨てることの出来ないものが入ったまま続きを読む “荷づくり”
投稿者アーカイブ:mimacul
穴とドーナツと私
いつもかばんに入っている文庫本は、なんとなく先に読んだ本などに導かれて次の本に出会うけれど、その流れがふと途切れて読むものが見当たらなくなった。読みたかった本や人に薦められたものがあったはずなのに読書迷子になることがある続きを読む “穴とドーナツと私”
House Houser Housest 2
実家に帰るとテーブルの上に2つずつ包装されたロールパンをやたらと見る。スーパーでは見かけない袋で、給食で出されそうな雰囲気のこのロールパンは何かと母に尋ねたら、おじいちゃんが残すのだと言った。 祖父は1年ほど前に長年住ん続きを読む “House Houser Housest 2”
House Houser Housest
引っ越しを考えていて、賃貸物件情報をよく見るようになった。間取りの図と室内写真を眺めながらまだ見ぬ家、そこで生活することをイメージしてみる。 駅から徒歩何分、二口コンロが置けるか、セパレートか、洗濯機置き場、収納、日当た続きを読む “House Houser Housest”
晩秋の台所
唇がやたら乾燥するようになって、夕飯の献立を考えるのにまず土鍋の図が浮かぶ。 数年前韓国に行ったとき土産物屋で、日本人の作るキムチ鍋は水っぽい、なぜなら最初にキムチを炒めないからだ、この唐辛子粉とこのキムチをこのごま油で続きを読む “晩秋の台所”
17日目の人
妹が産んだ肺呼吸を始めて17日目の人は、母乳を吸うための顔の筋肉が発達したのか輪郭がちょっとシャープになり、目も大きく開くようになってきた。妹は自動的に、どんどん母乳を作ることができるようになり、その量は日々増えて、出産続きを読む “17日目の人”
おでんの卵
深夜に家のなかが出汁のにおいに満ちているのはおでんを仕込んでいるため。台所に立っていると背後に視線を感じる。出汁がらの鰹節を待っているにゃあと鳴くものの。大根とこんにゃくをそれぞれ下茹でして、そのあいだに出汁をとる。ゆで続きを読む “おでんの卵”
ひと肌
日没が日に日にはやくなり、まだ夕方だと思っていたのに屋外に出ると急に風景が夜に押し出されていて、置き去りにされたみたいでなんかさみしい。 多少の厚着をしたつもりで出掛けたのに防寒も追いつかず、さみしいついでに羽織るもので続きを読む “ひと肌”
リアルな他所
京都でやっていたアートイベントの展示でVRというものを体験できる作品があった。 VRヘッドセットという海女さんのゴーグルみたいな形の装置を着けると映像が見え、実際にそのときいる場所とはまったく違う場所にいるかのような立体続きを読む “リアルな他所”
あまりある余り
ホットケーキ作ろうと思うときの意欲の約3割は、生地の残ったボウルと泡立て器とかを舐めたいという欲求に支えられている。 ホットケーキだけでなく、スポンジケーキを焼くとか生クリームを泡立てるとか、その作業も完成品も好きではあ続きを読む “あまりある余り”