そういえばいつからかだいたい毎日化粧をするようになった。することが普通になってからはしないまま外に出ると目鼻を描き忘れて家を出てきた心地がして落ち着かない。 もっと若かったときはそういう、化粧するの当然みたいな出来上がっ続きを読む “白粉白書”
カテゴリーアーカイブ: 寄稿
酒粕心身
板状にしていない地酒のずっしりした、いかにも絞りたてに見える酒粕が袋で売られているのに出くわすと、まだ家にあるのに思わず買いそうになってしまう。お酒の風味は好きなのにアルコールには弱いので飲めないぶんの日本酒欲は酒粕に注続きを読む “酒粕心身”
赤飯はじまり
コンビニでおにぎりを買うとき選んでしまうのはだんとつに赤飯で、けれど思い返すと赤飯は、何かのお祝い事の折にパックに入って南天の葉が添えてあって、握られているものではそういえばなかった。 ハレの日の食べ物だったはずがコンビ続きを読む “赤飯はじまり”
正月召喚
引っ越した家の玄関ドアには駅前の平和堂で買った小さい正月飾りがぶら下がっている。アパートはどこも同じ玄関で暮らしの表情が見えにくいし、正月も積極的に呼ばないとちゃんと正月の顔をして来ない気がしてくる。 妹が学生の頃バイト続きを読む “正月召喚”
電気の口
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火の手
夜、消防車が立て続けに4台くらい近くを通ってわりと大きな火事と思っていたら、窓の外が赤いランプでチカチカして人のざわめきが聞こえ出した。まさか引っ越したばかりのこのマンションの一階にある飲み屋からじゃないだろうなと窓を開続きを読む “火の手”
巣づくり
しばらく住まれていなかった家の、何の、というでもない住人不在のにおいのする部屋。窓を開け放って澱んでいた空気を動かす。仮死状態だった部屋が少しずつ息を吹き返して蘇生する。 床を拭く。きれいなように見えて雑巾を裏返してみる続きを読む “巣づくり”
荷づくり
12月になったと思ったら次の瞬間にはきっともう大晦日、というくらいに疾走の予感が既にしている師走。 引っ越しの準備をしている。荷造りをしたことのある人なら誰でも「押入れの奥に眠っている捨てることの出来ないものが入ったまま続きを読む “荷づくり”
穴とドーナツと私
いつもかばんに入っている文庫本は、なんとなく先に読んだ本などに導かれて次の本に出会うけれど、その流れがふと途切れて読むものが見当たらなくなった。読みたかった本や人に薦められたものがあったはずなのに読書迷子になることがある続きを読む “穴とドーナツと私”
House Houser Housest 2
実家に帰るとテーブルの上に2つずつ包装されたロールパンをやたらと見る。スーパーでは見かけない袋で、給食で出されそうな雰囲気のこのロールパンは何かと母に尋ねたら、おじいちゃんが残すのだと言った。 祖父は1年ほど前に長年住ん続きを読む “House Houser Housest 2”