去年睡蓮鉢に植えたヒメスイレンは秋に枯れ、冬は厚く凍った水の中で生きているのか死んでいるのかわからなかったけれど、春になって葉が水面まで伸びてきた。同時に水中をせわしなく動きまわるボウフラも出てきた、と思ったら日に日に増続きを読む “メダカの食欲”
投稿者アーカイブ:mimacul
シャッター音の周辺
荒木経惟の写真モデルをしていたKaoRiさんという女性が、アラーキーとの仕事に関して黙していたことをブログで公表した。彼女は16年間ミューズのように度々登場し、写真集で見かけた切れ長な目が印象に残っている。 これまで彼女続きを読む “シャッター音の周辺”
花迷彩
迷彩にまぎれて咲く花の 奥まったにおいにくすぐられ 手元が狂って 泡立てすぎた生クリームは 帰り道を見失い 分離したきり戻らない 滑らかさの喪中 息が切れて 足が笑う そんなふうに 笑ってよ 余剰油分を皮下注入 やわらか続きを読む “花迷彩”
4月素描
ストーブを仕舞おうとしたらスチームの給水口から冬の水が出た。 ごろごろ特売ブロッコリーもよくよく見れば咲く予定の密集で、店先の箱に折り重なりながら陽気でじんわりつぼみをゆるめる。たとえ黄色くほころんでも見頃をむかえず見切続きを読む “4月素描”
マイクロ家族
ぬか床を育てて半年くらいになる。 米屋でもらってきた米ぬかと塩を混ぜるところから始め、発酵を促すために野菜の切れ端などを入れる捨て漬けをくりかえし、乳酸菌を増やしながら育ててきた。徐々に発酵臭がするようになって、見えない続きを読む “マイクロ家族”
沼好物
沼好物というのは、沼地に足を取られるかのごとくはまり込んでしまう好物のことで、3分ほど前にみたらしだんごを食べながら思いついた造語である。 私の沼好物はみたらしだんごで、なかでも特に沼化しているものとしてヤマザキの3本入続きを読む “沼好物”
なのはな
ゆらりゆらるる なのはなのはな なをなのる なのはながゆれる なをなのる なのはながゆれる わたしわたしと ひとこともいわず なをなのる なのはながゆれる こぼれるきいろ じゅふんうらなう あぶらなあぶら あぶらなあぶら続きを読む “なのはな”
3月素描
何かの拍子に体質が改善されて今年こそ、と期待してみるけれど、気温が上がるや花粉の飛散を感知する。 読んでいた小説に、妻に先立たれた男の独り身について、それは孤独ではなく寂寥であると書いていた。亡妻のかわりに人生の寂寥がひ続きを読む “3月素描”
仙台滞在記
先週まで東京にいて、続きに宮城に用あって仙台に向かった。新宿から昼のバス。窓側で風景をながめていた。埼玉より上の方には行ったことがない。都市部を遠ざかるにつれて田畑田畑田園。彩度の低い冬模様の風景にかろうじて空が青い。福続きを読む “仙台滞在記”
山谷滞在記
仕事で東京にきて南千住のあたりに泊まっていた。初日に宿泊先のシェアハウスに着いたのは夜11時で、まったく土地勘がないし暗いので周囲の風景をよく見ないまま朝になり、食べものを探して外にでた。向かいはモツ専門の肉屋だった。す続きを読む “山谷滞在記”