去年12月に引っ越したばかりだけれど、また引っ越すことになった。いろんな条件を満たす家が見つかってしまったからで、物件はタイミングだからこれはもう縁だと思った。 それでアパートの部屋に腰を落ち着けている様子の物をまた移動続きを読む “荷造り再び”
投稿者アーカイブ:mimacul
メイプルソープとソフトクリーム
毎年この時期京都ではKYOTOGRAPHIEという国際写真祭が催されている。約1ヶ月のあいだ、市内にあるギャラリーや寺院、普段は非公開の歴史ある建物などに点々と国内外の写真家の作品が展示されていて、パスポートを買うとその続きを読む “メイプルソープとソフトクリーム”
春と灰汁
花や新芽の吹く勢いは桜並木や空き地の草花だけでなく、スーパーの青果コーナーに並ぶ野菜も、春キャベツ、レタス、そら豆、新じゃが、新玉ねぎ、花の咲いたブロッコリー、青い葉もの、年中見かけるものも皆どこか活気付いている。そんな続きを読む “春と灰汁”
襖の張り替え
引っ越して以来、襖を張り替えたいと心のどこかでずっと思ってはいた。もともと張ってあるのは、引手のところに紺色の帯が入っている紺手引帯という襖らしい柄で、特にそれが気に入らない訳でもない。遠目にはきれいに見えるけれど、近く続きを読む “襖の張り替え”
賞味期限
半月ほど家を留守にしていて久々に帰ってきた。日に日に春の増す日差しに促され、半月前は葉が伸び始めたくらいだったベランダのニオイスミレは一気に濃い紫を咲かせていた。顔を近づけると白粉のような粉っぽいにおいがする。3月初旬に続きを読む “賞味期限”
キノサキにて2
こんなタイトルを付けているのに志賀直哉の『城の崎にて』を読んでませんというのはやっぱりあれだという気がして後追いで読んだ。 城崎にて、というからには温泉街のことが主に描写されているのだろうと思っていたらそうでもなく、志賀続きを読む “キノサキにて2”
キノサキにて
先週の頭から城崎にいる。城崎といえば城崎温泉。 温泉街の真ん中には大谿川という川が流れていて、枝垂れ柳に石橋の掛かる風情ある川を挟んだ両岸にいくつもの旅館やお土産屋、食べ物屋、7カ所の外湯があり、旅行客はそれぞれに浴衣を続きを読む “キノサキにて”
周辺視野
いま私が座っている六畳の部屋の目の前にあるものはノートパソコンの画面で、ワードの白紙にこう、打った文字が、並んでいく、のを、見ている。その向こうにぼやけているのは押入れで、焦点を画面からそっちへうつす。引き手のところを中続きを読む “周辺視野”
土用と水用
2月の短いしっぽの端を見送る前に3月の頭はもうはみ出していて受けとめる間もなく春に押し出される、あるいは春が張り出してくる。春は張る、ハル、膨張する。木の芽をふくよかにする。 毎月1日は赤飯を炊くと年の初めに決めたので、続きを読む “土用と水用”
クートラスの夜
音楽家の友人にすすめられて京都の大山崎山荘美術館にロベール・クートラスの絵を見に行った。 クートラスは1930年パリで生まれ、ユトリロの再来と呼ばれ画商もついた画家だったけれど、風景などの売れる絵を描かなければならないこ続きを読む “クートラスの夜”